経営改善の流れ 分析① SWOT分析

経営改善の流れ 分析① SWOT分析

[カテゴリ] コンサルティング
[更新日] 2022/11/20
[投稿者] 職員

経営の改善を目指すにあたり、まずは現状を詳細に分析することからスタートします。
 

そこで、どのように現状分析を進めていくか、ということになるのですが、一般的には「SWOT分析」という有名な経営のツールを使って、分析を進めていくことになります。


SWOT分析とは、

① Strength(強み)
② Weakness(弱み)
③ Opportunity(機会)
④ Threat(脅威)

の頭文字をつなげたもので、自社を、内部環境(強みと弱み)外部環境(機会と脅威)に分けて分析していく手法のことをいいます。

内部環境や外部環境という用語は、あまり馴染みがない用語かもしれませんが、内部=社内的、外部=社外的、と考えると、少しわかりやすくなるかと思います。





① 内部環境

内部環境の「強み・弱み」は、「競合他社と比べての自社の長所・短所」と言いかえることができます。

強み・弱みとしては、具体的にはこのような点が挙げられます。
 

〇 商品・製品の品質が高い(Yes・No)
〇 会社・店舗にブランド力、ネームバリューがある(Yes・No)
〇 主力商品の業界シェアが高い(Yes・No)
〇 ノウハウ、技術がある(Yes・No)
〇 優良な取引先、仕入先のネットワークがある(Yes・No)
〇 営業力がある(Yes・No)
〇 社内の人材が豊富である(Yes・No)
〇 優良顧客を抱えている(Yes・No)
〇 立地が良い(Yes・No)
〇 粗利益率が高い(Yes・No)
〇 内部留保が多い(Yes・No)
 

上記で、Yesになっている項目は、自社が競合他社に勝っている「長所」になりますので、さらにその長所を磨き、今後の経営に大いに生かしていきたい方向性です。

逆に、Noになっている項目は、自社が競合他社に劣っている「短所」になります。

その場合は、短所の克服を目指す、もしくは、その項目では勝負をかけない、という戦略が今後取るべき方向性になってくるでしょう。





② 外部環境

外部環境の「機会・脅威」とは、「自社が属する業界の動向(追い風要因・向かい風要因)」と言いかえることができます。

機会・脅威とは、具体的にはこのような点が挙げられます。
 

〇 業界の景気が良い(悪い)
〇 業界に有利な(不利な)法改正
〇 消費者ニーズの変化、 マスコミ、SNSによる取扱商品のブーム到来
〇 補助金・給付金など業界支援のための政治施策
〇 同業他社・競合店の撤退(出店)
〇 画期的な商品の登場による業界のマーケット拡大
〇 世界の政治不安・自然災害による商品の品薄状態
○ 疫病の流行による生活スタイルの変化
 

ここ最近の大きな外部環境要因と言えば、やはり「新型コロナウイルス」になります。

コロナの影響で、人が集まることや移動することが大きく制限されてしまいました。

特に飲食業、観光業、宿泊業、イベント関連業などでは、需要が大きく減少し、業績に大きな影響を与えています。

これらの業種においては、新型コロナウイルスは大変大きな「脅威」となってしまいました。


しかし、コロナによる生活スタイルの変化が「機会」になった業種もあります。

マスクや除菌用品、テレワーク、オンライン、巣ごもり消費などは、コロナによる生活スタイルの変化で需要が増加し、これらの関連業界にとっては、コロナは大きな「機会」となりました。

 

○ 自社の長所 → 内部環境の「強み」
◯ 自社の短所 → 内部環境の「弱み」
○ 自社にとっての追い風要因 → 外部環境の「機会」
◯ 自社にとっての向かい風要因 → 外部環境「脅威」


これらが分類できたら、以下のマトリックスに整理をしていきます。




これが、いわゆる、SWOT分析と呼ばれるものです。

SWOT分析をすることで、今後の経営に生かせそうな自社の長所・短所や、自社が属する業界の追い風要因・向かい風要因を客観的に整理することができます。

 

※ 同様な手法が可能かどうかは、お客様の状況、景気動向、経済状況、その時点での法令などによって異なる場合があります。

  弊所との契約に基づいて実施した場合を除き、本情報の利用により損害が発生することがあっても、弊所では一切責任を負いかねますのでご了承ください。
 
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