平成の消費不振は本当? 手応えなき支出、負の印象 医療・通信費増え家計圧迫
平成が終わって10日。改めて平成とはどんな消費活動をしていたのでしょうか。
失われた10年、20年などとも言われた平成。
低迷や不振と言われ続けた平成の消費は本当にそうだったのでしょうか。
2019/5/10 日経MJ
バブル崩壊から、失われた20年、リーマン・ショックなど、平成の時代には景気のいいニュースはあまりありませんでした。
バブルの時代は、家計もたくさんのお金を使い、さぞかし豊かな生活をしていたのでは?
そんな印象もありますが、実際はどうだったのでしょうか?
家計調査(総務省)で17年の月平均の消費支出額(2人以上の勤労者世帯)は31万2926円でした。
では、景気が良かった平成元年はどうだったのでしょう?
31万6489円です。17年とほとんど変わりないのです。
少し意外な結果です。
バブルのころは、株や不動産の価格も上がり、派手な生活という印象ですが。
しかし、平成初期に比べて、平成の終わり頃は景気がいいという印象はありません。
消費支出はあまり変わらないのに、何が違うのでしょう?
おそらく、自分の意思が明確に働いて消費する金額が少なくなっているからだろうと思います。
平成元年と比べて、交通・通信、保険医療、光熱・水道という項目で支出が増えているのに対して、家具・家事用品、被服及び履物という項目では支出が減っています。
つまり、使わざるを得ないお金(医療費、光熱費、携帯代など)が大幅に増えており、自分から積極的に使うお金(洋服代、家電)が減っていて、お金を使う豊かさが感じられなくなってきたのではないかと。
これが、平成初期との豊かさの差なのかもしれません。
これに加えて、社会保障負担の増額で給与が増えても、手取りがそれほど増えない。
消費税率のアップ。
将来の年金不安。
など、お金を使うことに不安を感じる世の中が進んでいる印象です。
新しい令和の時代は、どんな時代になるのでしょうか。
日本が再度成長への階段を上がり、日本全体で豊かさを感じることができる時代が来ることを願いたいですね。
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